今オフ非常に騒がしい時を過ごしたダミアン・リラードの周辺が、再び騒がしくなっている。
先日The Athleticから「ダミアン・リラードがフィラデルフィア・シクサーズのオールスターポイントガードベン・シモンズとの共闘を望んでいる」という報道が流れ大きな話題を集めると、翌日にはESPNから「ダミアン・リラードがチームと2年約1億700万ドルの延長契約を求めている」と報道したのだ。
もしこの2つの報道が事実であれば、リラードは長年チームのフロントを主導したニール・オルシェイが不正疑惑を告発され退任した直後に
- 今のチームメイトを放出して俺の欲しい選手を獲得しろ
- 資格のある24-25シーズン、35歳になった時から俺に2年で1億ドルを払え
というとんでもない要求を立て続けに行ったことになる。
こう見るとかなり強引なやり方に見えるが、NBAインサイダーでありSI.comの記者であるクリス・マニックスによれば、この噂は本当ではないという。
リラード側からは、ベン・シモンズの獲得に興味を示しておらず、延長契約は今のところ資格がないため、どちらも議論されていないと言われている。
昨季プレイオフファーストラウンドで負傷者が離脱していたデンバー・ナゲッツ相手に敗れシーズンを終え、リラードがチームに対する不満を明かしたことからすべてのドラマが始まった。ただこれまで流れてきた彼とブレイザーズに関するネガティブな噂は全てリラード本人がSNSを通じて直接否定してきたが、今回のシモンズ獲得希望報道に対しては「みんなドラマが好き」と直接否定する表現を避けている。
シモンズに関してはフィラデルフィア・シクサーズがダミアン・リラードの獲得を狙っているだけあって幾度となくブレイザーズとのトレードトークが流れてきたが、リラードはあくまでもブレイザーズでのプレイにこだわっており、交渉がまとまる気配は無かった。だがリラードとここ数年に渡ってコンビを組んできたCJ・マッカラムをドラフトで獲得し放出に否定的だったと言われているニール・オルシェイがチームを去り、シクサーズもシモンズに付けてきた価値を下げ始めており、この半年で一気に大型トレードがまとまる環境が出来つつある。
またリラードは現在31歳と全盛期公判を過ごしている選手。同い年にはクレイ・トンプソンやドレイモンド・グリーン、ドリュー・ホリデーなどタイトルを獲得している選手もおり、そろそろタイトルを獲得できる状況に身を置きたいはず。それもあってか、開幕前はもしブレイザーズが序盤に苦しむようであればリラードがトレードを要求するのではとの予想もされていた。
そして現在のブレイザーズの戦績は11勝14敗であり、苦しんでいるのは明らか。ここ数年は明らかに足りていないディフェンス力をリラードやマッカラムらの得点力で補う戦い方をしてきたが、その頼みの綱であるリラードが不調に喘ぎ昨季4位だった平均得点は13位と並のチームに成り下がっている。平均失点はリーグ25位とディフェンス面で苦労しているのは例年通りであり、「トレード要求するつもりはない」と語ったもののこの状況が続くようであればチームに忠誠を誓っていたペリカンズ時代のアンソニー・デイビスのように大きな状況の変化を要求するはずだ。
いずれにせよチームの状況が改善しない限りノイズが消えることはなく、HCとしてはルーキーのチャウンシー・ビラップスに現状を変える能力があるようには見えないため、これからもリラードの周辺が落ち着くことはなさそうだ。