2009-10シーズンウォリアーズで平均25.5得点を記録し、ウォリアーズのエースとして活躍していたガードのモンタ・エリス。だが11-12シーズン途中にアンドリュー・ボーガット、ステフェン・ジャクソンとのトレードでミルウォーキー・バックスへ放出された。
エリスはチームトップスコアラーとして活躍するもチームを勝利に導けず。チームの再編成に動いたフロント陣は当時3年目で伸び悩みのシーズンを過ごしていたステフェン・カリーを放出しようとしたが、バックス側が足首の怪我が多かったカリーを拒みエリスになったという裏話がある。
結局このギャンブルとも思える決断が後のウォリアーズに大きく貢献することになるのはご存じの通りだが、エリスがカリーの代わりに放出された当時を語ってくれたようだ。彼の以下のコメントをClutch Pointが伝えている。
俺はミルウォーキーに放出された。ファンは混乱していたよ。それからクリス・マリンの永久欠番イベントがあって、ファンはオーナーをブーイングしていた。みんなが俺のことを何よりも話していたからそうなったんだと思う。多くの人間はカリーよりも俺を支持していた。若い時はそういうこともある。俺はそう理解したんだ。だから俺は彼に電話して、心配するなと伝えた。練習し続けろとね。君は素晴らしい状態で、君のチームなんだと伝えた。批評家もいるし、言いたいことを言う人間も持つことになる。でも事態を好転させれば、すべてが自分の味方になるとね。俺は彼にただ一生懸命練習して、知っている方法でプレイして考えすぎるのをやめろと言ったよ。
ミルウォーキー・バックスへ移籍したモンタ・エリスはバックスでスコアラーとして活躍するも徐々に居場所を失いマブスへ移籍。一方でカリーは翌シーズンキャリアで初めてシーズン平均20得点以上を記録すると、エリスの代わりにやってきたアンドリュー・ボーガットはウォリアーズのタイトル獲得に大きく貢献した。
もしウォリアーズがチームチップスコアラーだったエリスを放出し、結果的にウォリアーズにチャンピオンシップを3度もたらす活躍を披露したカリーをチームに残すという決断をしていなければ、今頃NBAは大きく変わっていたことだろう。
トレードされながら後輩に捨て台詞すら言わず後押ししたエリスの言葉に、カリーは感銘を受けたに違いない。